その名称は応仁の乱の西陣本陣に由来。京都を代表する高級絹織物です。何色もの糸で精緻な模様を織り成した帯は女性のあこがれ。大変高価なものですが、端切れを使った小物ならお土産にぴったり。お財布やバッグ、ネクタイなど、柄を選ぶのも楽しいですよ。
京都といえば友禅染。友禅染の美しい着物に、一度は袖(そで)を通してみたいですね。友禅染だけでなく、京都ではさまざまな染色技術があります。植物で染める藍染や草木染も人気。伝統的な和のデザインが豊富なのも京都ならでは。染の小物や和柄のTシャツなど、個性が光るお土産です。
和の文化が息づく京都には、手すき和紙や和の文具のお店もたくさんあります。おしゃれな便箋セットや絵葉書、和のカードも豊富。ポチ袋などもかわいい柄がたくさんあります。唐紙と呼ばれる手刷りの高級襖紙を使った絵葉書やインテリアも京都ならでは。ぜひチェックを。
帯締めや羽織のひもに使われている絹のひもがくみひもです。専用の台を使って何本もの絹糸を手で組んで作る丈夫なひも。今は携帯ストラップとして人気です。花のように結んだ髪飾りなど、アクセサリーもたくさんあります。
京都府北部の丹後地方の伝統的織物です。表面に「しぼ」と呼ばれる凹凸があるのが特徴。「しぼ」があるのでしわになりにくく、昔から京都で着物に染められてきました。今は小物のほか、ショールやふろしきも人気。「ちりめん細工」といって、小さな人形や花などを作ったものや押し絵もおすすめ。
七宝は、金属の表面にガラス質の薬品をのせて模様を焼き付けたカラフルな工芸。象嵌は鉄に金・銀・赤銅などをはめこんで模様を描く金属工芸です。どちらもブローチやペンダントなど、アクセサリーとして人気。
お正月のお重など、日本の食卓に欠かせないのが漆塗。ウルシの木の樹液を塗り重ねて作りますが、最近では樹脂を使った手軽なものもあります。お箸や箸置きなどは手ごろ。お椀やお皿などから、現代の暮らしに合ったモダンなものまでいろいろあります。
京都で作られる陶磁器を総称して「京焼」といいます。とりわけ有名なのが「清水焼」。洗練された色絵付けが特徴。超高級品から手ごろなものまで、種類は豊富。陶人形もかわいい。若い陶芸家が作る創作陶器も人気です。
川端康成の小説「古都」にもでてくる「北山杉」は京都市北部の名産。竹は京都の西の地域、「洛西」が有名です。どちらも天然素材のぬくもりを生かした小物や雑貨が人気。竹炭などユニークなものも。金属線を手で編んで作った、焼き網やお鍋のときの豆腐すくいなどは、おうちの人に喜ばれること間違いなし?
各宗派の本山があり、香道発祥の地でもある京都ならではの種類の多さ。香りは伝統的なものから、洋風のものまでバラエティー豊か。形も線香から、渦巻き型、三角形までいろいろあります。使いやすいものを選びましょう。お香立ても一緒に選ぶとおしゃれ。天然香原料を西陣織などの袋に詰めた匂い袋も人気です。
京都は手工芸の宝庫。芸術系の大学も多く、若手作家が活躍しています。ガラス工芸、籐、イグサなどを使ったお土産や、センスのいい工芸品などたくさんあります。ぜひ、小さなお店ものぞいてみてください。
四季折々の風情をお菓子に表現した上生菓子からふだんのおやつにいただくおまんじゅう、神社やお寺の門前の名物菓子など、京都は豊かなお菓子の文化も育んできました。とりわけ京土産として馴染み深いのが八ツ橋。江戸時代の筝曲(そうきょく=お琴)家・八橋検校(やつはしけんぎょう)ゆかりのお菓子でお琴を模したニッキ味の堅焼きせんべいです。今では焼いていない生八ツ橋が人気。中につぶあんのほか、いろいろな季節の味を挟んだものもあります。豆乳プリンなど豆腐を使ったお菓子や京野菜のシュークリームもユニーク。手軽なところで、京あめや金平糖(こんぺいとう)もかわいい。
お茶の種は留学僧によって中国から京都へもたらされました。京都南部の宇治の土壌と気候に合い、宇治茶として京都の名産になります。せん茶、玉露(ぎょくろ)、抹茶、番茶、ほうじ茶など種類はいろいろありますが、育て方や作り方が違うだけで、すべて同じお茶の葉から作られます。いれたてのお茶の美味しさを、ぜひ味わってください。お茶どころ京都には、抹茶アイスやケーキ、チョコレートなど、お茶味のお菓子もたくさんあるので要チェック。
豊かな京野菜の土壌を背景に、独自の漬物文化が発展してきました。大きな聖護院かぶらから作られる千枚漬、洛北の名産、すぐき漬や大原の赤しそを使ったしば漬が代表的なものです。ほかにも種類は豊富。サラダ感覚で食べる浅漬けも人気です。 ちりめんじゃこと山椒の粒を炊き上げたちりめん山椒をはじめ、洛北の木の芽煮など、佃煮もチェック!
湯葉は豆腐同様豆乳から作られます。加熱した豆乳の表面に張った膜を、職人技で一枚一枚ていねいにとったものが湯葉。生湯葉と乾燥させたものがあり、乾燥湯葉は水でもどして使います。 小麦粉に水を加えて練り上げ、デンプン質を除いてグルテン(植物性タンパク質)を取り出し、もち粉を加えたものが生麩(なまふ)。小麦粉を加えて焼くと焼麩(やきふ)になります。きれいな細工麩(さいくふ)から中にあんが入った麩まんじゅうまで、いろいろあります。
京都といえば京料理。華やかな料理の味付けに欠かせない、裏方である調味料にも京都ならではのものがあります。今も昔と変わらず手作りされているものが多いのも特徴。京都のお雑煮といえば白みそ。ほのかに甘い白みそやプロの料理人の間でも評判のお酢やしょう油など、ぜひ味わってみてください。七味唐辛子も手軽なお土産としておすすめ。